舌小帯短縮症
舌小帯短縮症をご存知ですか?
「舌小帯短縮症かも...?」と感じたら早めの受診・切除をしましょう。一生の全身の健康に大きく関係します。特に赤ちゃんの舌小帯短縮にお悩みでしたら、当院にご相談ください!術後の口育と言って一生の健康のためのサポートまでさせていただくことができるのが当院の強みです。
口腔底と呼ばれる下顎と舌の裏側に繋がる帯を舌小帯と言います。
当院では、★生後6か月〜2歳半までは表面麻酔のみで切除。
状況に応じて生後6ヶ月以下も行います。(痛みはありません。)
★5歳〜10歳までは局所麻酔にて切除
(強い痛みはなく二日間の違和感があります。)しております。
3歳〜5歳未満のお子様の場合、動いてしまうため、慈恵医大又は、杏林大学へのご紹介となります。
以下のお悩みがございましたら、切除が必要か一度受診することをお勧めしています。
0歳1か月〜2歳までの切除
乳幼児期の舌小帯短縮症の症状
1授乳中に泣いたり、拒否感が強くうまくできない。
2授乳中よくむせることが多い。
3体重が増えずに悩んでいる。
4少食で食事時間が長く、よく噛み込んで飲み込むことができない。
5反対咬合がある(上の前歯より下の前歯が前に出ている)
6滑舌が悪い。
上記項目に一つでも当てはまる場合、舌小帯短縮症の可能性があります。
一度舌に問題がないか当院にて受診されることをお勧めしております。
2歳までの手術の流れ
初診・検診
初診時・もしくは健診時に舌小帯短縮症かどうかを診査させていただき、手術・術後のケアについて説明させていただきます。
手術当日
手術は翌日病院が開いている、月・火・金の10:00もしくは14:00に行っております。
約2歳までは舌小帯に神経が通っていないため、表面の麻酔のみで手術を行います。
病院滞在時間は約1時間で、手術・止血に30分ほどいただき、お子様が落ち着いた頃に癒着防止のマッサージを親御様に練習していただきます。
手術翌日
消毒し、癒着していないかを確認いたします。
再度マッサージの確認もします。
手術1週間後
舌の筋肉は一生の健康においても、歯並びにおいても重要な場所です。口呼吸をやめ、鼻呼吸をするための今後の生活習慣の改善方法を詳しく歯科衛生士兼、口育士からお伝えいたします。
その後
癒着具合と筋力具合により、ご相談後1か月から3か月ごとにお口の検診として通っていただきます。
手術について
術前
・当日の朝の検温を自宅にてお願いいたします。37,5℃以上あった場合には延期となります。
・手術前後1週間の予防接種はお控えください。
・術後休憩していただく際に、授乳または水分補給をしていただきますので
授乳ケープ、哺乳瓶・水分のご準備をお願いいたします。(お湯などの準備はできません。)
術中
・手術は完全母子分離となります。親御様は待合室にてお待ちください。
・表面麻酔〜切除までに4分、止血に20分程度かかります。
痛みは全くありません。
術後
・待合室にて親御様と休憩していただきます。
10分休憩後授乳または、水分補給していただきます。
・お子様が落ち着いた頃に癒着防止のマッサージの練習をいたします。
5歳〜10歳までの切除
幼児期・学童期の症状
1滑舌が悪い。
2歯肉炎・歯石付着が多く虫歯になりやすい。
3最後臼歯が内傾して生えている。
4睡眠時にいびきや、夢遊病、おねしょなどの睡眠障害がある。
5硬い食べ物を好まない。
6反対咬合または、開咬である。
上記項目に一つでも当てはまる場合、舌小帯短縮症の可能性があります。
一度舌に問題がないか当院にて受診されることをお勧めしております。
学童期の手術の流れ
初診・検診
初診時・もしくは健診時に舌小帯短縮症かどうかを診査させていただき、手術・術後のケアについて説明させていただきます。
手術当日
手術は翌日・翌々日に何もご予定がなく極力安静にできる前の日の17:00〜18:00にご予約をお取りください。
手術可能曜日は月・火・金になります。
例(手術日:金曜日の18:00 土日予定なし)
夕食・お風呂をお済ませの上ご来院ください。
手術翌日
消毒し、傷口の確認をいたします。
手術1週間後
糸を取り、簡単な癒着防止のトレーニングを練習します。
3週間後
本格的なトレーニングの練習をし、ご相談後3か月に1回の検診に通っていただきます。
術前
・当日は夕食を食べてきてください。
・発熱があった場合は延期となります。
術中
・手術は親御様も同席可能です。
・5分ほど表面麻酔後、局所麻酔、切除、縫合を行います。手術時間は15分ほどです。
術後
・帰宅後、すぐに痛み止めを飲んでいただきすぐに寝てください。
・痛みが出るのはごく稀です。
・翌日の午前中に消毒に来ていただき、1日は流動食・会話等声を出すのは禁止となります。
舌小帯切除の論争について
舌小帯って本当に切る必要あるの?
当院では、20年以上前から学童期を中心に舌小帯を切除し、ここ近年では舌小帯切除の第一人者である伊藤康夫先生に出会い、乳児期の切除も行い、延べ500人以上のお子様の切除をしてまいりました。
当院では舌小帯に対して、一生の健康を握る大切な場所と考え、積極的に切除をしていますが、現在の日本が舌小帯切除に対して極端に消極的、又は反対されることが多いこともよく理解しております。
海外では現在も積極的に出産時、または1か月検診時に切除している国もあり、日本でも昔は出産時に切除することが多くありました。ですが、日本では約20年以上前の小児科の「舌小帯と哺乳には関係がない」という論文により、現在小児科では切除せずに様子を見るという流れが主流となっています。
ですが、現実当院では「授乳がうまくできず、体重が増えない」「哺乳瓶で流し飲みをしてむせながら毎日哺乳している」というお子様の舌小帯を切除し、見違えるように授乳が出来るようになった喜ばしい経験に携わっているのが事実です。
そしてアメリカ小児学会では「舌小帯の切開は授乳に必要な運動である吸啜運動を改善し、哺乳量も改善する可能性がある」等の舌小帯切除について積極的な意見も多く、当院の患者様にも海外で出産されたお子様は切除され帰国している方も多くいらっしゃる印象です。
また、現代の日本において口呼吸を主とした食べる・話す・呼吸において問題があるお子様が増えたことにより、「口腔機能発達不全症」という新たな病名ができ、保険算定されることになりました。口腔機能発達不全症の評価には舌小帯を評価すべきだという内容も入っています。その流れから、小児歯科会の流れとして、舌小帯の問題は哺乳だけではなく、一生の健康・歯並びにも大きく影響しているという考えに移行し、乳児期からのお口の育て方で、一生の健康を創ろうと考える日本口育協会でも「可能なら切除し、舌の自由度を増すことは重要である」等の記述をされています。
そのため、現在の日本では小児歯科で『舌小帯が短い』と言われたけれど、小児科では『問題ない、様子見で良い』と言われたと言った日本の医療界の中で意見が全く違う状態にあります。
また、切除をする小児外科でも現時点で問題がないから切る必要がないと言われることも多くあります。ですが、その現時点での問題は哺乳や滑舌、食事の問題だけではなく、歯科の視点から見た上顎の成長具合や噛み合わせ、呼吸の問題がある場合が多く存在します。それらの問題がある場合のみ切除をお勧めしており、全身を診る小児外科の視点とお口の中を専門に診る歯科の観点に相違があるのは致し方ないことかと考えます。
当院でも、舌小帯を切ることを小児科に伝えたら『可哀想』と言われた、『今問題なく成長しているのだから、闇雲にハサミを入れるべきじゃない』と言われたと、報告を受けることがあります。
当院では、切除の経験が豊富にあり、粘膜のほんの数ミリ(舌骨筋まで深く切る場合もあるようですが)しか切りません。
舌を切るという行為は確かにイメージが悪いですが、決して可哀想なことではなく、一生の健康のスタートラインにようやく立てる大事な手術です。
舌小帯が短いことにより起こることは、滑舌や哺乳の問題だけではなく、舌位の悪さから顎の成長への影響・副鼻腔の圧迫・鼻中隔湾曲症を引き起こし、口呼吸が慢性化することにより、歯並びでだけではなく学童期には慢性副鼻腔炎・喘息・睡眠障害、成人期には脳卒中や心筋梗塞にまでも大きく関係がしてきます。(詳しくお知りなりたい方はぜひ当院へお越しください。)
私たちは、闇雲にハサミを大事なお子様の舌に入れている訳ではなく、心からお子様の一生の健康は口が大きく握ると確信し、お勧めさせていただいております。
日本の中で意見が論争しているため、ご不安に思われる親御様とお話しさせていただく機会が多くありますが、小児科様が"なぜ"反対をされるのか、当院が”なぜ”舌小帯切除をお勧めするのかをお聞きいただき、ご検討して頂けますとありがたいです。
かつらファミリー歯科
院長 阿部 桂